■小林悠が大島僚太に耳打ちした言葉

 ともに途中出場するときに、大島は「常に見ていて」と小林から耳打ちされた。相手ゴール前の特異な動き出しを武器とする小林から、いつもかけられていた懐かしい言葉。パスを出す場面は訪れなかったが、それでも大島はこう語っている。

「後半途中で多少はオープンにもなっていたので、何とも言えないというか、まあまあ、という感じです。試合に向けての準備や整理はある程度していたけど、プレーしながら、ここをこうしなきゃとか、そういった感覚のなかでやっていました」

 昨年7月8日の横浜FC戦でベンチに入った大島は、その後、シーズンをまたいだ長期の欠場を強いられた。後に右下腿三頭筋の肉離れと診断され、再発や別の箇所の負傷を繰り返し、4月には練習試合に出場しながら再び離脱していた。

「長かったですね。手術はしていないけど、期間は長かったし、けっこう大変な1年だったな、と思います。ホームでしたし、後半戦の一発目という試合も考えたら、途中から出た身としてはどうにか1点を取れたら、という感じでした」

 川崎の黄金時代を象徴する存在の大島は、復帰までの日々を感慨深げ振り返りつつ反省もあげる。それでも、大島にバトンを託して交代した山田はこう語る。

「僚太くんが戻ってきたのはチームにとってもプラスに働くと思うし、フォワードの一人としても、いいパスが出てくる回数が増えると思っている」

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