■11得点も「満足できるシーズンではなかった」
もう1人、我々にサプライズを与えたのが、オランダ1部1年目で11ゴールをマークした小川航基(NECナイメンヘン)。初めての海外挑戦でここまで結果を出すと想像していた人はそう多くなかったはずだ。
「僕としてはもうちょっと点取れたと思っているし、最低ラインのことをやったっていうところ。周りからしたら『1年目でよくやったシーズン』って思われるかもしれないですけど、僕としては満足できるシーズンではなかったなと。あと3~4点は伸ばさないといけなかったかなと思いますね」と本人はやや厳しい自己評価をつけている。
それでも前線でボールを収めて起点になる仕事には磨きをかけたという自信はある様子。
「前線で体を張る部分、相手をブロックして起点になる仕事は監督・コーチからも強く要求され続けてきたし、手ごたえを得たところ」と小川も代表期間に力を込めていたが、それは他の代表FWと比較しても大きなアドバンテージになるはずだ。
得点とポスト役という仕事の両方を突き詰めていくことが来季の彼に託されるタスク。目下、26歳ではあるが、格上クラブを目指せない年齢ではない。さらに数字を引き上げ、ステップアップを狙ってほしい。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)