■「自分も今はそういう環境に身を置いてる」

 こうした取り組み方はシントトロイデンからシュツットガルトに移籍した2019年と全く一緒。最初出られなくてもブレずにやるべきことを続ければ、必ず道は開けると本人は分かっていたのだろう。その成果が12月頃から出始める。

 最初はマック・マクアリスターの負傷がきっかけだったかもしれないが、遠藤は穴埋め役以上の存在感を見せつけ、瞬く間にアンカーのレギュラーの座を奪い取ることに成功したのだ。

 1~2月のアジアカップ(カタール)でチームを離脱することが大きなダメージになるという見方もあったが、戻ってからも先発を外れる機会は少なかった。2月のカラバオカップ決勝・チェルシー戦でも120分間フル稼働し、タイトル獲得の原動力になった。

「1シーズン通して試合にも絡めたんで、そこはポジティブに考えている プレミアでの高いレベルでの経験も個人的にはすごくよかったと思う。W杯が終わって上位に行く他の国の選手たちが普段からタフな日程の中、チャンピオンズ(欧州CL)をやったり、リーグ戦も高いレベル中でやってることを感じていたんで、自分も今はそういう環境に身を置いてるところが一番のメリットですね」

 遠藤は昨季公式戦44試合試合出場3ゴールという結果に納得の表情を浮かべていた。
「あとは試合に出続けるっていうことが大事」と本人も強調したが、重要なのは新シーズンだ。オーバーエージ枠でのパリ五輪出場も有力視される中、アルノ・スロット新監督体制でどう扱われるかは全くの未知数。現地メディアでは悲観的な報道もあるだけに、それを一蹴してほしい。

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