■「日本代表チームが強い」ことが不可欠
――会長就任に当たって、“日本サッカーのコンテンツの商業的価値を上げる”ということをキー政策のひとつに上げられました。これは日本代表のことですか。
「日本代表チームが強いという状態が不可欠です。強ければ、人々の話題にのぼるし、メディアにも取り上げられて、また人々の話題につながるという循環になります。面白いデータがあるのですが、JFA登録人口の多い都道府県ほど、日本代表戦のテレビ視聴率が高いそうなんですよ。だから選手や審判員、役員などの登録数の絶対数を増やすことが視聴率につながり、サッカーに関心を持つ人が多い社会につながると思っています」
――目標は国内だけですか。
「アジアにも、という考えは持っています。アジアにおいて日本サッカーの商業的価値をもっと上げることは可能なのではないか。そして、たとえばの話、これからアジアに出ていこうという企業、パートナーと一緒に取り組んでいくことで、もっと日本サッカーの価値を上げられるのではないかということにもチャレンジしていきたい」
――サッカーの商業的成功と言えば、現在では世界中から高額の放映権料を集めて多額の資金を得ている欧州のサッカーですが、それに追随しようということでしょうか。
「少し違います。ここ数年間のJFAの収入を見ると、特別なことがなければ、だいたい200億円規模で推移しています。僕はそれを少しずつでも増やしていきたいと考えていますが、それは、プレミアリーグが巨額の放映権収入で潤って、クラブに還元して、クラブが選手の年俸を上げ、巨額の移籍金でスターを獲得するというのとは、目的が違います」