■「国交のない」中国を訪問するには?
それでも、日本は中国、北朝鮮と国交はなくても貿易や文化、スポーツなど、さまざまな分野で交流がありました。
たとえば、1957年にはサッカーの日本代表チームが中国を訪問して7試合を戦ったこともあります。もっとも、直行便がなかったので、中国を訪問する日本人はいったん香港まで飛んで、陸路で境界を渡って中国本土に入らなければなりませんでした。
朝鮮半島では、「冷戦」が「熱戦」になってしまいました。1950年6月に、北朝鮮軍が韓国に侵攻を開始して朝鮮戦争が勃発。数百万の民間人が犠牲になりました。また、この戦闘には中国の義勇軍も北朝鮮側に立って参戦したので、休戦協定成立後も韓国と北朝鮮、韓国と中国は厳しい対立関係にあったのです。
当時の韓国の人たちは中国やソ連に行くことなど絶対にできませんでしたし、昔から韓国に住んでいる中国人や共産党支配を嫌って韓国に逃れてきた中国人はソウルにもたくさん住んでいましたが、韓国にとって中国大陸は本当に遠くて怖ろしい存在でした。