■アジアにも拡大した東西「冷戦」

 今では、韓国と中国の指導者が会談するのも当たり前のことですが、昔は両国は対立関係にあり、首脳同士でも国民間でも交流など考えられないような時代もありました。

 第2次世界大戦中には「連合国」を結成して、一緒にナチス・ドイツや日本と戦っていたアメリカやイギリスとソ連(ソビエト社会主義共和国連邦=1991年に崩壊)が、東ヨーロッパの支配権を巡って対立。「自由主義圏」のアメリカ・西欧と「共産圏」のソ連・東欧の間で「冷戦」が始まりました(実際に戦火を交えることなく、軍事的に対立している状態が「冷戦」です)。

 そして、「冷戦」はアジアにも拡大。共産党が指導する中華人民共和国やソ連の傀儡政権として樹立した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、ベトナム民主共和国(北ベトナム)などが社会主義陣営に加わり、日本や大韓民国(韓国)、それに中国大陸での共産党との戦いに敗れた国民党が支配していた台湾の中華民国がアメリカと同盟を結んでいました。

 ですから、両陣営間の交流は難しかったのです。

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