■左寄りだった日本代表の攻撃

 ミャンマー戦のメンバーは試合前の予想で、左のボランチに入ると見られていた鎌田がシャドーで中村をサポートする形になり、むしろ旗手がボランチのポジションを取るオーガナイズだった。その分、攻撃が左寄りに。どこまで森保監督の意図したものかは分からないが、左から中村が仕掛けて、右からは堂安が”裏のストライカー”としてゴール前に顔をだす仕組みは興味深い。

 さらに相手が強くなってくると、ビルドアップに対するプレッシャーが厳しくなるので、ここまで絵に描いたような形は難しいし、逆にもっと右側から仕掛けることも必要だろう。ただ、左ウイングバックの中村がこれだけ高い位置で、攻撃的に振る舞うためのベースとして、菅原由勢や堂安といった右側の選手が、縁の下の力持ちになる必要があった。

 試合の終盤には相手の守備も間延びする状況で、中村を左シャドーに出して、前田大然相馬勇紀を左右ウイングバックで起用するなど、異なる組み合わせもテストしながら5−0という結果で終えた。ここからメインオプションとして、3バックが継続的に使われていけば、別の組み合わせでもトライすることになるはず。

 それこそカタールW杯のドイツ戦で見せたような左右ウイングバックにサイドアタッカーを置く”ファイヤー型”も見られるかもしれないが、組み合わせによるバリエーションの面白さというのは今後の”森保ジャパン”を観ていく1つの楽しみな要素になることは間違いなさそうだ。まずは広島でのシリア戦でも3バックを使うのか、どういった組み合わせになるのか注目したい。

(取材・文/河治良幸)

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