■原と山原のシュートがバーに嫌われ…
いいところなく前半を終えた清水は、後半開始から交代カードを切る。MF矢島慎也とMFルーカス・ブラガが下がり、MF松崎快、FW千葉寛汰がピッチに立つ。松崎は2列目右サイドに入り、千葉とFW北川航也が2トップを組む。
53分には警告を受けたボランチ白崎凌兵を下げ、MF宮本航汰が起用される。秋葉忠宏監督は早めに動いてビハインドを跳ね返そうとするが、思惑どおりにはいかない。山口は重心を下げ過ぎず、局面でハードワークすることで、清水にスキを見せないのだ。
それでも、時間の経過とともに山口のボールホルダーへの寄せが遅くなり、選手同士の距離が少しずつ空いてくる。スペースと時間を得た清水は攻撃のギアを上げていき、乾が中央でボールを受けて縦パスを差し込み、相手が中央を閉じてきたところでサイドへ展開する。71分には乾、松崎、北川とワンタッチでパスがつながり、右サイドのDF原輝綺へ展開する。ペナルティエリ内まで持ち込んだ原のコントロールショットが、バーを叩いた。
81分には乾が中央でファウルを受ける。この反則で得た直接FKを、左SB山原怜音が狙う。壁を越えた一撃が、またしてもバーに嫌われた。後半は相手を上回る9本のシュートを浴びせたものの、1試合1失点以下の堅守を誇る山口を崩しきれない。今シーズン3度目の無得点で、清水は敗戦を喫したのだった。
試合後の秋葉監督は「ふたつ取られると難しくなるので、先制されても我慢できるような、そういうところを見直したい」と話した。これでシーズン4敗目となったが、そのすべてがアウェイである。選手たちの心に苦手意識がすみつかないうちに、アウェイの戦いを改善しなければならない。