■「技術レベルをもう一つ上げたい」

 公開はされていないものの5日の練習でも通常とは違ったメニューを選手はこなしており、それは、パスに関するものだったという。この期間だからこその上積みにチームは挑んでいる。

 6日の練習後、鬼木監督は「もう1回自分たちのやらなきゃいけないこと、原点じゃないですけど、そういうところに特化してやってます」と説明。「技術レベルをもう一つ上げたい。この期間で(すぐに技術が)上がるわけじゃないですけど、その意識を持ってほしい」とも意図を語っていた。

 実際、パリ五輪開催中には、来日する海外クラブとJクラブが対戦するが、川崎はスケジュール面も考慮してマッチメイクには慎重になったようだ。昨季末に天皇杯の決勝を戦ったほか、ACLで韓国遠征も行って他のクラブよりもオフに入る時期は遅かったにもかかわらず、今季の公式戦初戦はどのクラブよりも早い。9月からは新たにACLEも始まることもあって、選手に休息を与えたいという考えもあったようだ。

 この6月だけではないが、川崎にとって代表開催などに伴う中断期間は上積みを図る重要な期間と言える。

(取材・文/中地拓也)

(後編へ続く)

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