■8試合ぶり先発のMF白崎が決勝ヘッド

 後半開始とともに、清水の秋葉忠宏監督が動く。カルリーニョス・ジュニオを下げて、MF乾貴士を投入する。乾はトップ下のポジションに入り、システムは4-4-2から4-2-3-1へ変更された。

 背番号33を着ける元日本代表がパスの中継点になることで、清水はショートパスをテンポよくつなげるようになる。そのなかで、53分にスコアを刻む。右SB原輝綺がペナルティエリア右手前からクロスを入れると、ゴール前に詰めていた白崎がヘディングシュートを右上スミへ突き刺した。白崎は今シーズン初得点だ。

 その後も乾が攻撃のテンポを整え、リズムを生み出し、スイッチを入れることで、清水は相手守備陣を慌てさせる。乾が関わることで得点機を迎えるが、3点目を決めることはできない。

 2対1のまま推移する75分、秋葉監督は北川に代えてドウグラス・タンキを、MFルーカス・ブラガに代えてDF住吉ジェラニレショーンを投入する。システムは3-4-2-1に変更される。

 ここまで2CBと相手の2トップが同数になる場面があったが、3バックにすることであらかじめスペースを埋めた。セカンドボールの回収にはダブルボランチが目を光らせ、相手の攻撃の芽を摘んでいく。84分に住吉のボール処理からピンチを招いたが、相手のシュートミスに救われた。

 87分には高木に代えてDF吉田豊を投入し、原が右ウイングバックから3バックの右CBへ下がる。逃げ切りのメッセージを選手たちは受け取り、最終盤は水戸に攻め込まれたものの、清水は2対1のまま終了のホイッスルを聞いた。これでホームでは負けなしの7勝1分である。

 試合後のフラッシュインタビューに応じた秋葉監督は、「ホームでは負けないんだ、勝点を取れるんだというのがある。それを今後も続けて、必ず優勝して終わりたい」と話した。次節はレノファ山口FCのホームに乗り込む。ここまで6位と好調の相手を倒すことで、再び連勝街道が見えてくる。

【その(2)へ】
  1. 1
  2. 2
  3. 3