「リトルなでしこ」こと、サッカーU-17日本女子代表が、アジアでの戦いを終えた。惜しくも連覇はならなかったが、未来につながる輝きを放った。U-17女子アジアカップでの戦いぶりを、サッカージャーナリスト後藤健生が振り返る。
■日本が反撃に移れなかった「最大の原因」
後半、日本が反撃に移れなかった最大の原因は、北朝鮮の圧力を恐れてしまったことだ。
いや、後半だけではない。前半、日本のパスがつながっていた時間帯にも決定的なチャンスが作れなかったが、それは日本もロングパスに頼る場面が多かったからだ。
もちろん、このチームは、最終ラインの太田美月や牧口優花からのロングフィードからも得点につなげられるチームだったが、やはり日本の基本はパス・サッカー。パスで相手を押し込んだ中で、ロングボールを使うから効果的なのだ。
だが、この試合では日本もロングボール頼りになってしまったため、日本らしいチャンスができなかった。いわば、北朝鮮のやりたいサッカーにつきあってしまった形だった。
その最大の要因は、やはり序盤戦で押し込まれたことで、メンタル的に受け身になってしまったことなのだろう。そして、後半はいきなり失点したことによって、落ち着いて戦うことができなくなってしまった。