■積極的に「ローテーション」を使った日本代表

 それだけではない。決勝戦はこの大会の5試合目。中2日で5連戦で、毎日気温が30度近くあり、湿度も高い環境だ。疲労がたまっているのは当然。日本の選手たちの動きは重そうで、まったくキレがなかった。それは、対戦相手の北朝鮮も同じとはいえ、少なくとも本来のパフォーマンスができなかった原因の一つといえるだろう。

 日本代表は、どんなカテゴリーの大会でも積極的にローテーションを使って戦う。

 U-17女子日本代表の白井貞義監督も同じだった。準決勝の韓国戦では、途中交代でGKの永井愛理を投入したことにより、帯同した全23選手をピッチに立たせたし、準決勝から決勝でも先発を3人変更した。

 一方の北朝鮮は、基本的にほぼ固定メンバーで戦った。準決勝から決勝でも先発を変更したのは1人だけだった。

 日本チームはローテーションを使って戦うことによって、体力的な負担を分散することができ、連戦の最後になる決勝戦では優位に立って戦うことができる。先日のU-23アジアカップなどは、まさにその有利さが決勝での勝利につながった。

 だが、毎試合のようにメンバーを変更することには当然リスクも伴う。寄せ集めである代表チームなだけに、コンビネーションを高めるためにはなるべく同じメンバーで戦ったほうがよいだろう。とくに守備面では、連係が非常に重要なので、前線に比べればメンバー固定で戦うことが一般的だ。

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