■後半開始早々の失点は「連係の乱れ」が原因か
実際、今回のU-17女子代表でもDFラインは比較的、固定的だった。右サイドバックは3戦目の中国戦の途中から福島望愛が起用された。それまでは、左のアタッカーだった福島を右サイドバックで起用したのだ。センターバックは決勝で先発した太田と牧口。それに、決勝戦でも途中交代で出場した朝生珠実の3人が交代で起用された。そして、左サイドバックは5試合中4試合、鈴木温子がプレーした。
ただ、決勝戦ではGKとして、それまでの主力だった福田真央に代わって坂田が起用された。坂田は2戦目のオーストラリア戦に出場しただけで、他の3試合では福田がプレーしていた。
決勝戦、後半開始早々の失点場面ではGKの坂田が一瞬遅れて飛び出し、相手FWにプレッシャーをかけられず、しかもゴールをがら空きにしてしまった。坂田が久しぶりのプレーだったことが、このDFとの連係が乱れの原因となった可能性もある。
もう一つ、今大会での選手起用を振り返ってみると、ボランチの2人、眞城美春と榊愛花はほぼ固定で使われていた。
日本代表は準優勝に終わったものの、MFの眞城は大会MVPに選出された。決勝戦でも、北朝鮮の激しいチェックを見事にかわしてボールをキープしてパスを供給しており、テクニックのレベルは群を抜いており、しかもチーム最多の4得点。眞城のMVP選出は当然のように思える。
まさに、今大会での日本チームの攻撃の中心としての存在感を発揮した選手だ。
その眞城は初戦から全試合で先発し、初戦タイ戦の85分に平川と交代しただけで、他の全試合でフル出場していた。そして、眞城とコンビを組む榊も2戦目のオーストラリア戦を除いて4試合に出場し、4試合ともにフル出場していた。