■試合開始直後「予想通り」の北朝鮮の猛攻

 北朝鮮との決勝戦。試合開始直後から、日本は北朝鮮の猛攻を受けた。

 これはある程度、予想できたことだ。

 パワーやロングボールを武器とする北朝鮮。開始直後のフレッシュな状態では、フィジカル勝負で日本を上回ることができるからだ。

 昔から、韓国や北朝鮮と対戦すると、開始直後に押し込まれることは何度もあった。これは、男子も女子も、あらゆるカテゴリーで起こる現象だ。

 従って、最初の15分間ほどは日本チームにとって我慢の時間となる。ここをしのぎ切って、相手の動きが落ちてからは、日本チームのテクニックや戦術的な動きが効果を発揮してパスがつながるようになる。

 今回のU-17女子代表の試合も、まさにその通りの流れとなった。

 序盤戦、ロングボールを蹴り込まれ、セカンドボールを拾われて押し込まれ続けた日本だったが、GKとして起用された坂田湖琳の好守もあって無失点で耐えることに成功。

 13分には右サイドから形を作って、最後はエースの眞城美春がチーム初シュート。シュート自体は力のないものだったが、これが転機となり、次第に日本のパスがつながるようになってくる。

 日本が相手陣内にボールを運べるようになれば、そこで奪われてロングボールを蹴り込まれても、相手のキックの精度はそれほど高くないのでピンチにはつながらないし、相手陣内でプレスをかけられれば、北朝鮮は簡単にタッチに蹴り出してくれる。

 ただ、32分にトップ下の平川陽菜のシュートがDFに当たってポストを直撃するチャンスもあったが、日本には決定機と呼べるほどのチャンスは生まれず、終盤には北朝鮮のカウンターで何度か危ない場面も作られて前半を終了した。

 スタッツを見ても、ボールポゼッションやパス本数、CKの数などは日本が上回ったが、シュート数では3本対11本(枠内1本対5本)と圧倒された前半だった。

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