■逃した得点機

 それだけに、早いうちに勝負を決めてしまいたい気持ちは強かったはず。立ち上がりの広島は主導権を握り、得意のサイド攻撃で相手を攻略。特に右ウイングバック(WB)の新井直人の推進力が光った。前半のCK8本という数字を見ても分かる通り、外からの攻めは大いに迫力が感じられた。

 だからこそ、流れの中から1点がほしかったが、前半40分の大橋祐紀の決定機など、惜しいチャンスをモノにできない。結局、スコアレスでゲームを折り返すことになった。

 迎えた後半。開始早々の8分に新井の右CKから荒木隼人が巧みなヘッドで先制。ようやく1点をリードした。直後の11分にも最近好調の松本泰志がGKキム・ジンヒョンとの1対1を迎えるが、絶好の得点機を逃してしまった。

 さらに新井、佐々木翔らも立て続けにチャンスで決めきれず、逆にリスタートから西尾隆矢に同点弾を食らってしまう。これは非常に痛かった。広島の試合運びのまずさを印象付ける時間帯だった。

 そこから連戦による疲労が濃くなり、終盤は相手の猛攻を封じることに忙殺されてしまう。最終的には1-1のドロー。この結果で終わるのが精一杯というしかなかった。

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