■加藤が話す「一番足りないところ」
「70分くらいまでは自分たちの方がいい内容だった。勝ち切れないのはチャンスをモノにできていないことが大きい。そして何もないところから失点してしまう。それで思うようにポイントを積めていない」とスキッベ監督は厳しい表情を浮かべていたが、まさにそれが広島の現状だ。チーム完成度は決して低くないのに、勝ち星が遠い…。それは指揮官にとっても大きなストレスに違いない。
「今の僕らは点を取らなくちゃいけない場面で取れなかったりしている。今日も得点後に大チャンスがあったし、そこで取れていたら楽な展開になっていた。それが一番足りないところ」と主軸FWの加藤も反省しきりだった。
15試合終了時点で広島は引き分けが8もある。それは東京Vに次ぐリーグ2位だ。総得点26・総失点15という数字自体は町田や鹿島とそう変わらないが、それだけ効率の悪い戦いをしているということになる。
3月に加入した新井のブレイク、ピエロス・ソティリウら外国人選手の復帰などいい材料もあるだけに、それをいち早く生かし、上位との差を詰めていかなければならない。今がまさに彼らの正念場と言っていい。
(取材・文/元川悦子)
(後編へ続く)