ベテランとして「リスペクト」してくれながらも

「これじゃあ、上に行けないよって悔しい気持ちでやり続けたし、死に場所というよりは、フィンクが監督になって1年やっている中で、彼は正直な監督なんで、自分のことをベテランとしてリスペクトしてくれながらも、使う場面は最後の5分で、出せなくて悪いね、みたいな話になることもあって、どうしても自分の中で悔しさがあったんです。でも、正直な監督とやれて、気を遣われて試合に出られるよりは、実力が足りないなあと思いながらやめるのは、自分にとっては自分らしい終わりかなと思って」
 と、今シーズンを総括した。続けて岡崎は、シント=トロイデンの最終節である来週のケント戦での出場の意欲を記者に問われると、
「この試合(ルーベン戦)で終わるっていうのを、ケガをしてから自分で決めていたんで。来週は最後までクラブには行きながら、やらない姿勢を取ろうかな。バイクとかリハビリだけやる感じで(笑)」
 と、笑いを誘いながらも、「最後は思ったよりも膝が良くならなかった」と、ケガの深刻さを告白。日々、リハビリをして、それが終わった後で、チームの練習に合流していた厳しい現実を話した。そして、ベテランならではの悩みも吐露した。
「監督が誰を使うべきかということを最後まで本気で考えていたと思うのですが、そういう中で若い選手が、俺が入ることで外れなければならないということもあったと思うんです。でも、自分がそういうのは嫌いだったんで、それを最後の試合ではしてもらいましたが、でも、そういう気遣いをしてもらうことなく終わらせてもらえたっていうのは、いろんな選手や監督に感謝して終われる気がします」
 と、特別扱いされることを嫌う生真面目な岡崎らしい言葉で締めくくった。
 そして、ファンミーティングの時間になると、日本から駆け付けた人々の質問に対し、岡崎はひとつずつ丁寧に応えていった。そして、驚くべきことを口にしたのだ。

同じFWのファティ・カヤ選手と。撮影/渡辺航滋(Sony α‐1

 

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