■セットプレー2連発で逆転に成功!

 同点に追いついた仙台は、守備時は5-2-3になる相手のシステムに徐々に対応していく。MF郷家友太やボランチ松井蓮之が両ボランチの脇のスペースを意図的に使うことで、栃木の2シャドーやウイングバックに守備を意識させる。それによって、前へ出ていく勢いを相手から削ぐ。さらには左MF相良竜之介が質的優位を発揮していく。相手のGKのビッグセーブにあいながらも得点機をうかがうと、59分にもまたもセットプレーからネットを揺らす。ニアサイドに立った中島が、ヘディングで巧みにコースを変えたのだった。中島の前に立っていた松井が相手をひきつけたことで、中島がスペースを見つけることができたのだった。

 2対1で推移する時間帯では、スライドが間に合わずに際どいシュートを浴びる場面もあった。3点目を取るべき場面もあったが、追加点を奪えない。終盤は栃木がCBを前線にあげてパワープレーをしかけてきたが、仙台は2対1のまま逃げ切る。監督交代直後の難しい相手との一戦で、前節につづいてしぶとく勝点3をつかんだ。

 仙台はJ1で戦っていた19年6月以来5シーズンぶりの4連勝を達成した。しかも、そのすべてが1点差ゲームである。粘り強く勝点を稼いでいる。試合後の森山監督は「4連勝とはいえど、すべてギリギリの戦い」と話し、次節以降の対戦相手を見据えて「また我慢しながらやっていこうと思います」と話した。

 ホームに戻る17節は6位のファジアーノ岡山、17節は7位のいわきFC、18節は9位ヴァンフォーレ甲府、20節は2位のV・ファーレン長崎と、現時点で勝点の近い相手との対戦が続く。前半戦の終盤に訪れた上位対決を、仙台はいかに乗り切るのか。5月から6月の戦いが、仙台にとって大きな意味を持つ。

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