カシマスタジアムでヴィッセル神戸に12年ぶりの白星を飾った鹿島アントラーズ。これで15試合終了時点で9勝2分4敗の勝ち点29。ポイントでは神戸と並んだ形だが、得失点差で3位となっている。
それでも5月に入ってからの5戦無敗というのはチーム状態が上向いている証。最大の得点源である7ゴールの鈴木優磨筆頭に、スーパーサブとしての立ち位置を確立させつつあるチャヴリッチが5点、濃野公人が4点、仲間隼斗と植田直通が3点ずつと、得点源が分散しつつあるのも朗報と言っていい。
そこに2列目の名古新太郎や師岡柊生のゴールがついてくれば理想的。今季の鹿島はご存じの通り、2列目だけはタレントが豊富で、対戦相手や状況によって陣容を変えられるだけの人材が揃っている。が、師岡、樋口雄太、土居聖真、松村優太、藤井智也といった面々が揃ってノーゴールというのは、やはり物足りない。
そのあたりは、主力アタッカー陣がそれぞれ得点を取っている神戸との違いだろう。
「神戸はホント、強いっすね。上にいるうまい選手たちがあれだけハードワークしたら、それは強いなと正直、思いますね」
鈴木優磨も神妙な面持ちでこう語っていたが、大迫勇也、武藤嘉紀、宮代大聖、佐々木大樹らは前線からのハイプレスを厭わない。今回の鹿島戦は一瞬のスキから失点してしまったが、そういうことは滅多にないし、守から攻への切り替えの速さ、ゴールへの推進力と迫力はやはり際立っている。だからこそ、2023年J1王者の座を手にできた。