■「距離感が遠くなってしまうのは望ましくない」
北川としてはそれをしっかりと頭に入れて、カルリーニョス・ジュニオやルーカス・ブラガら攻撃陣といい距離感を取りながら、空いているスペースを効果的に使うといった解決策を見出せたら理想的だったが、今回はゴールという形に結びつかなかった。それを彼自身も素直に反省し、課題と向き合っていく構えだ。
「後半になって4枚から3枚、そして再び4枚とシステムが変わりましたし、選手も入れ替わった。そういう中で距離感が遠くなってしまうのは望ましくないし、エスパルスらしくない。距離感をよくすることに関しては、後から入ってきた(ドウグラス・)タンキたちとも話さないといけない。改善点があるというのはよくなる一方だと思うので、次に向けていい準備をするだけです」
どこまでも前向きな北川。そういったポジティブなマインドは、森保ジャパンの一員として2019年アジアカップ(UAE)に参戦しながら重圧に苦しんだ頃とは全く違う。その後、彼もラピッド・ウイーン移籍と清水復帰を経験。古巣に戻ってきた後も思うように試合に出られなかったり、得点を重ねられない苦しみを味わった。そういった全ての紆余曲折が今季の好パフォーマンスにつながっているのは間違いない。
「代表でアジアカップに行った頃よりはいろいろできることが増えてると思う。自分のストロングはもちろんありますけど、苦手な部分も試合の中でできてきたという実感があるし、総合的にプレーの幅が広がっているのかなと感じます。
(チアゴ・サンタナが浦和へ移籍して)、自分がやらなければいけない、チームを勝たせなければいけないという気持ちも強い。それを90分の中でもっと出していければなとも思います」と北川は今季3敗目という苦い一戦の後に、改めて目の色を変えていた。