■メダルの色とワールドカップ優勝は「別の話」

 予選を含めて、オリンピックのサッカーがJリーグの選手たちにとって成長の大きなチャンスであることは間違いない。しかし、日本サッカーの目標である「ワールドカップ優勝」のためにオリンピックが不可欠と考える時期は、もう過去のものになりつつある。

 オリンピックと言うと、どんな競技でも、どんな選手でも「メダル」を口にする。掛け声としてはいいが、6試合を戦うという経験(準決勝に進めば6試合になる)には大きな価値はあるが、オリンピックでどんな色のメダルを取ろうと、「ワールドカップ優勝」はまったく別の話だ。

 大岩監督には、オリンピックを「選手の成長のチャンスのひとつ」としてとらえ、招集することのできたメンバーで最善を尽くし、日本のサッカーのクオリティと選手層の厚さをしっかりと世界に示してほしいと思う。しかし、たとえグループリーグで敗退したとしても、それがワールドカップ優勝に向かって突き進む日本サッカーの成長にブレーキをかけるようなものでないこと、日本のサッカーは、すでに代表の強化をオリンピックに頼る時期を過ぎていることを、しっかりと思い起こしてほしいと思う。

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