J1の鹿島アントラーズが、「宿敵」との一戦を前に、気持ちを高める動画を作成した。歴史の長さと重みを感じさせる動画に、鹿島のみならず対戦相手のファンも心を震わせている。
豊かな歴史を誇る名門クラブらしいアイディアだ。鹿島は今季、「クラシコ3」として、Jリーグ創設期から激突し、名勝負を繰り広げてきた「宿敵」との3試合を盛り上げている。
クラシコ3の初戦は、第5節のジュビロ磐田戦だった。1996年からの7シーズンで、リーグタイトルを分け合ってきたライバルだ。
最終戦は、6月1日にJ1第17節で対戦する横浜F・マリノスとの一戦。1993年のJリーグスタート時から、ともにトップリーグで戦い続けてきた戦友でもあり、国立競技場を舞台に激突する。
今週末に行われるのが、クラシコ3の第2戦。相手は東京ヴェルディである。
Jリーグ開幕当初はヴェルディ川崎として、リーグを席巻し、盛り上げた存在。また、鹿島のリーグ初優勝を阻んだ相手でもある。
鹿島はクラブのSNSに、「あの日の屈辱は、今も変わらない」と記した。差しているのは、1993年のチャンピオンシップ。シーズン前半戦のサントリーシリーズを制した鹿島と、後半戦のNICOSシリーズ優勝を決めたV川崎が激突した。国立競技場で2試合を行い、V川崎がJリーグ初代王者に輝いた。
鹿島はあえて、その試合の動画を持ち出した。タイトルを譲った悔しさを思い出させるかのように、映像が展開される。
その映像を見つめる選手がいる。安西幸輝だ。
2018年に鹿島に加わった安西だが、それまでは東京Vでプレーしていた。しかも東京Vのアカデミーの出身。今回の古巣との対戦には、さまざまな思いを感じながら臨むことになる。