■難しいゲーム

 こうした中、鹿島はまず4月28日のガンバ大阪戦を2-1で勝利。続く5月3日の湘南ベルマーレ戦でも3-1で連勝し、6日の柏レイソル戦を迎えた。「このスタジアムで勝ち点を持って帰るのは非常に難しいと分かっていた」と鈴木優磨も語ったが、三協柏フロンテアスタジアムのスタンドの圧を跳ね返すのは難易度が高い。彼らにとっては難しいゲームになるのは間違いなかった。

 だが、鹿島はスタートから強度の高いゲームを展開。開始早々の4分に名古新太郎が幸先のいい先制点を奪い、前半は主導権を握った。強風をうまく利用し、グイグイと押し切るスタイルを見せたことで内容的に圧倒できたと言えるだろう。

 ところが、柏が風上に立った後半は、長身FW木下康介にロングボールを蹴り込んでくる割り切ったスタイルに苦戦。島村拓弥に1点を返され、マテウス・サヴィオの突破の場面で植田がPKを献上するという絶体絶命のピンチに立たされた。

 それをサヴィオが失敗。九死に一生を得た鹿島は終盤まで粘り、1-1の状態で迎えたロスタイム。鈴木優磨の絶妙のタテパスに途中出場のチャヴリッチが反応し、値千金の決勝ゴールを決め、2-1で勝ち切ったのである。

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