■「鹿島がいるべきなのは1位だけ」

 植田は、気丈にこう語る。
「ここで3連勝で乗り越えたことはすごくいい効果がある。チームにとってポジティブな要素だし、次への自信にもなると思います。

 ただ、僕自身は納得できていない。失点シーンも、失点の匂いには、僕も気づいて声をかけていたけど、プレーを切る選択が大事だった。それができなかったのは、ホントにもったいなかったですね。

 それでも、最後まで諦めない気持ちを持てたのは大きかった。勝ち方に納得はしてませんし、鹿島がいるべきなのは1位だけなんで、最終的にそこにいられるように、1つ1つ勝っていくことを大事にしたいです」

 とはいえ、連戦のダメージについては「これくらいでヒーヒー言っていたらダメ」と警鐘を鳴らしていた。

「Jリーグとルヴァンがちょっと重なっただけで『連戦連戦』なんて言っていたら、タイトルは見えてこないし、ACLも取れない。今はACLを経験していない選手が沢山いる中で、こういう連戦は当たり前だし、その中で結果を残さなきゃいけないというのをみんなが認識しないといけない。『高い志』を持ってほしいと思います」

 常勝軍団の歴史を知る男は自分にもチームにも厳しい。そういうピリッとした雰囲気を取り戻しつつあるのは、今の鹿島にとって朗報だろう。

(取材・文/元川悦子)

(後編へ続く)

(2)へ続く
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