■「フラストレーションがないと言えば嘘になります」

「ホントにもったいなかった。前半に勝負を決められるチャンスもあったし、それができる内容だったから。でも90分通してがサッカー。悪い流れになった時に耐えれなかったのが、最大の敗因かなと思います。

 自分のゴールで勝利に導くことができれば一番いいのに、それができていないことも、ストレスやフラストレーションがないと言えば嘘になります。でもサミュエル含めた中盤のバランスはだいぶ整理がついていますし、フィーリング自体は悪くない。目の前の試合でしっかりプレーすることだけに集中してやっていけたらと思います」

 伊藤は焦りをにじませつつも、気丈に前を向いていた。6月には日本代表活動もあり、そこで復帰しなければ、9月からスタートする2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選に間に合わないという危機感もあるだろう。だからこそ、ここからゴールを量産し、浦和を引き上げ、圧倒的な存在感を示さなければならない。

 今はまさに大型MFの正念場と言っていい。

(取材・文/元川悦子)

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