■22歳の若手FW西野朗が「先制ゴール」も…
そして、第3戦。日本代表は前半8分に22歳の若手FW、西野朗が先制ゴールを決めましたが、その後2点を奪われて、ソ連3部リーグのチームに1分2敗と負け越してしまったのです。
内容的にも見るところはほとんどなく、おそらく史上最低の代表戦だったのではないでしょうか。
試合内容は寒かったのですが、当日の東京はよく晴れて暖かい日差しに包まれていました。観客数は主催者側の概数発表でも5000人。現在のような実数発表なら2000人台だったでしょう。
ガラガラの国立のバックスタンドで観戦していた僕は、そんな世紀の凡戦を見ながら前夜来の疲れと睡眠不足が出て睡魔に襲われ、とうとうバックスタンドのベンチに横になって寝入ってしまったのです。試合中にあれだけよく眠ったのは、最初で(今のところ)最後の出来事でした。
「夢のハワイ旅行」から帰国してすぐ、国立のバックスタンドで見た「夢」は何だったのか……。今となっては何も思い出せませんが、当時の日本サッカー界の最も現実的な「夢」は「オリンピック予選突破」でした。「ワールドカップ出場」などはまだ「夢」にすらなっていない、そんな大昔のお話です。