■日本代表と「ソ連3部のチーム」が3連戦
アムールはソビエト連邦(当時)を構成するロシア共和国のブラゴベシチェンスク市のチームで、当時はソ連の3部リーグに所属していました。
ブラゴベシチェンスクはアムール河に面した人口20万人程度の都市で、アムール河(中国名は「黒竜江」)を挟んで中国黒竜江省の黒河市に面しています。現在は、多くのロシア人が経済発展を遂げた中国に、買出しに行く拠点となっているようです。
当時のソ連は世界のサッカー強国の一つでしたが、「いくらなんでも3部リーグのチームには勝てるだろう」と、当時のサッカー・ファンは思っていました。
しかし、3月19日に国立で行われた第1戦はスコアレスドローでした。
前年に釜本邦茂が代表から引退し、後継者と見なされていた奥寺康彦も1FCケルンと契約してドイツに渡ってしまったため、ストライカー不足は深刻。そのため、二宮寛監督はアムールとの第1戦ではセンターバックの斉藤和夫をワントップで起用したのですが、それも不発でした(ちなみに、斉藤さんは僕より年長の選手で、最後まで日本サッカーリーグ1部でプレーしていた選手です)。
そのアムールとの第1戦を観戦した翌日、僕は「夢のハワイ」に旅立ったのですが、その後、大阪・長居での第2戦で日本代表は0対1で敗れてしまいました。