■山田が説く“勝ち切るために必要なこと”

 川崎は浦和レッズ戦を挟んでのアウェイゲーム2試合を同じ形で終えることになった。山田新がゴ-ルを決めて1点リードしたものの、同点弾を浴びて試合を終えるという流れだ。

 ただし、3-1で勝利した浦和レッズ戦も先制しながら一時、同点とされている。脇坂泰斗が前半18分にスコアを動かしたが、同35分に大久保智明がゴールネットを揺らしたのだ。それでも、この試合では2ゴールを決めることで引き分けを勝利に変えている。

 3試合連続で先制しながら、同点にされている川崎。そこから白星に持って行けるのか、それとも、引き分けのままに試合を終えるのか。

 福岡戦後の山田新は、“勝ち切るために必要”なことを、焦れないことだと説く。
「去年とかも0-0とかでもうまくいってない雰囲気があったりしたので、0-0も悪いことではないし、そんなから焦らずにやっていくことが大事だと思う。途中から出た選手も最近は勢いを出せてると思うので、本当にチーム全員で90分として戦うことが大事」

“最強”の称号を欲しいままにしていたかつての川崎は、仮にスコアを動かせなくても焦れずに攻撃の糸口を探っていた。どんな時間帯でも、やり合うほどの覚悟を手にしてゴールを奪ったのだ。

 その焦れずに一発を狙うための目を揃えられるか。山田はミックスゾーンでこう力強く言い切っている。
「前進はしている」

(取材・文/中地拓也)

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