■稲垣「もっと上に行きたい」
ここまで10試合で失点10と、名古屋は2位・町田と同じ数字を維持している。もちろんリーグ最少失点であるサンフレッチェ広島とヴィッセル神戸の7よりは多いが、「大崩れしない」という印象は強い。これを続けていくことで、クリーンシートの試合も増えていくはず。マッシモ・フィッカデンディ監督時代から積み重ねてきた「堅守の名古屋」を研ぎ澄ませていければ、優勝争い参戦も可能なはずだ。
さらに欲を言えば、序盤以降、出番を失っている井上、今季は出たり出なかったりの野上らの基準も引き上げたいところだ。
「もちろん現状には満足できないし、もっと上に行きたい。ずっと負けてなかった中で1敗して、ここからどう踏ん張れるか、次の試合でどういうゲームできるかが大事だと思うんで、しっかり結果こだわって、やっていきたいです」と中盤のリーダー・稲垣祥も語気を強めたが、本当の戦いはここから。守備の安定、攻撃力アップという課題をクリアすることで、さらなる躍進が見えてくる。
まず見据えるのは大型連休中の神戸、広島との上位対決だ。ここで彼らが何を見せるのか。それが今季を大きく左右するのは間違いないだろう。
(取材・文/元川悦子)