■最後は5バックで逃げ切り
後半のキックオフ直後も、清水は自陣での攻防を強いられる。フィジカルバトルを全面に押し出す印象の強いいわきだが、ショートパスをしっかりとつないでビルドアップをしてくる。清水からすれば早くボールを奪いたいところだが、自陣で不用意なファウルをしない。冷静に対応していく。
慌てなければチャンスは来る。68分、敵陣ペナルティエリア内左で、諦めない粘りで相手CBからボールを奪った左SB山原怜音が、ゴール前へ丁寧なパスをとおす。詰めていた北川が左足で押し込んだ。北川はこれで1得点2アシストだ。
秋葉監督は直後に交代カードを切る。北川と乾を下げ、MF西澤健太とMF西原源樹を送り込む。ルーカス・ブラガが1トップへポジションをあげ、2列目は右から松崎、西澤、西原となる。
77分には至近距離から決定的なヘッドを浴びたが、GK権田修一が弾き出す。しかし、直後の相手CKから失点してしまう。
秋葉監督はこのタイミングでDF吉田豊とFWドウグラス・タンキを投入しようとしていたが、再び1点差に詰め寄られたことでプランを変更する。87分まで待ってからCB蓮川壮大と吉田を送り出し、5バックに変更する。いわきの反撃を跳ね返してリードを守り切り、前節に続いて勝利をつかんだ。
秋葉監督は試合後のフラッシュインタビューで、「3点取ったのは素晴らしいですが、セットプレーを含めて2失点は我々らしくない」と振り返った。次節は5位のベガルタ仙台、その翌節は3位のファジアーノ岡山と、上位との直接対決が続く。そこで、どれだけ勝点を取れるかは、清水の今シーズンに影響を与えていきそうだ。