■野澤がアジアカップで感じたこと
そしてもう1人の野澤も最後尾からチーム全体を鼓舞すべき人材。アジアカップでは出番こそなかったが、つねに鈴木彩艶とともに行動し、1つのミスでどれだけの逆風にさらされるかを間近に感じ、国を背負う重圧をひしひしと感じたに違いない。
「選手1人1人が本当にどれだけ強い責任感、代表選手に相応しいものを出せるかが大事。僕はそれを要求したいし、お互いに高め合って1つになることが大事だと思います」と本人も語気を強めていた。
今大会では小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)との正守護神争いを強いられるが、仮にベンチに回ったとしても彼は高い意識をチーム全体に示せるはず。A代表の冨安健洋(アーセナル)や堂安律(フライブルク)がやっていたことを思い返し、熱量のあるチームに仕向ける仕事を強く求めたい。
(取材・文/元川悦子)