【柏の決勝ゴールの裏側で。浦和はなぜあの時間帯に失点を喫したのか(1)】たとえ攻撃的なスタイルであろうとも……自陣が数的不利になる状況で前線に求められることの画像
浦和レッズの松尾佑介と柏レイソルの川口尚紀 撮影:中地拓也

 柏レイソルの決勝点となった木下康介による後半27分のゴールは、浦和からすると、やられるべくしてやられた失点だった。0−0のまま迎えた後半15分に浦和のペア=マティアス・ヘグモ監督は中島翔哉大久保智明を同時投入し、4ー3ー3から4ー2ー3ー1に変更した。

 そこまで浦和の攻撃がビルドアップからなかなか機能せず、チャンスの数でもホームの柏に上回られている状況で、ヘグモ監督の決断は妥当かもしれない。しかし、実際に4連戦の4試合目で終盤に差しかかるところ、攻撃のギアを入れるということは守備のリスクを強めることになる。そうした状況を柏が狙わない手はない。

 失点の時間帯は浦和の攻撃がオフサイドになり、柏側の攻撃からスタートした。4ー4ー2でプレッシャーをかけてくる浦和に対して、柏はセンターバックの犬飼智也を起点に、ボランチの白井永地が右側に流れて、右サイドバックの川口尚紀、右サイドハーフで途中投入された島村拓弥、さらにFWから10番のマテウス・サヴィオがワイドに流れてきた。

 つまり柏は右サイドで4枚が菱形のような形で絡み、それを浦和は左ウイングの松尾佑介と左サイドバックの渡邊凌磨、そしてスタートのアンカーから左ボランチのようなポジションになっていたサミュエル・グスタフソンがワイドに流れて対応に来たが、局面で数的不利に。そこに左センターバックのマリウス・ホイブラーテンもヘルプに行きかけたが、持ち場の中央を離れすぎることはできず、ステイして見送る形に。

  1. 1
  2. 2