■アメリカ選手の「走力」を前に押し込まれる展開
アメリカ相手の先制点は、その清家が最近の好調さをそのまま発揮したゴールだった。
清家の先制ゴールで日本が勢いに乗るかと思われたが、10分もたたないうちにアメリカがスピードを生かしてチャンスを作り始める。
右サイドのトリニティー・ロドマンの個人的な走力。左サイドバックのジェンナ・ナイスワンガーとサイドハーフのマロリー・スワンソンが絡んだ仕掛け。そして、最前線のアレックス・モーガン、トップ下のリンゼー・ホラン、ジェーディン・ショウの流動的な動き。それらが連動して、再三チャンスを作ったのだ。
そして、アメリカ選手の個人的走力を前に、右サイドバックの清水梨紗も守屋都弥も押し込まれる状況になってしまった。
さらに、悪いことには日本のパスが高い位置でカットされる場面が多かったため、中盤でアメリカの攻撃に規制をかけることができなくなってしまい、アメリカの速い攻撃に対して個人で守らざるをえない場面が多くなってしまった。
21分に同点とされた場面も、DFの熊谷紗希からのボールが直接アメリカのアンカー、サム・コフィーに渡ってしまい、そのまま持ち込まれ、最後はフリーになっていたショウに狙いすましたシュートを決められたものだったし、後半の逆転のPKを与えてしまった場面も、交代で入った左ウィングバックの杉田妃和が1人でソフィア・スミスのドリブルに対峙する場面を作らせてしまったのがきっかけだった。