■「僕自身ができることは他にもきっとある」
現在、チームは2勝1分4敗と負け越している。タイトル奪還を目指していたチームにとっては苦しい船出となった。そんな中で鬼木達監督は、「ゼロからチームを作り直す」と覚悟を決め、技術レベルの向上を改めて求めるとしていた。
それだけに、止める・蹴るでは右に出る者がいない大島への期待は高まるのも必定。そこで求められるものが大きいのではという質問も出たが、その期待とは別に、大島には別に感じているものがあった。
「僕自身は、自分がこれまで長くサッカーやってきたのに対してそれだけが全てだと思ってない。それだけだったら、もっとうまい人もたくさんいると思うので、僕自身ができることは他にもきっとあると思ってるので、そこを結果に結び付ければ」
とはいえ、ここに至る部分合流でもその技術の違いは存分に見せている。9日の練習以外にもすでにミニゲーム形式の練習にも参加しており、対峙した選手のタイミングをずらしてのパスで、チャンスになりかけた場面もあった。ある新加入選手は、通ってくると思わなかったようで、そのパスをうまくコントロールできずにフイにしてしまう場面があったが、大島が加わることによって、前への意識や勇気は間違いなくプラスされるはずだ。
(取材・文/中地拓也)
(後編へ続く)