■山本理仁が語るキャプテン像

 しかし、今回はマリ戦で山本、ウクライナ戦では藤田譲がスタメン、キャプテンマークを巻く形に。山本は川崎(=つちさき)颯太(京都サンガ)と植中朝日(横浜F・マリノス)、藤田譲は松木玖生(FC東京)、荒木と中盤を組んだ。U-23アジア杯は中2日でグループリーグの3試合をこなし、決勝トーナメントも中3日か中2日で試合が続いていく。消耗の激しい中盤のポジションを考えても、山本と藤田譲が同時にピッチに立たない試合や時間帯も出てくる可能性が高い。

 山本は藤田譲のキャプテン像について「うざいほど通る声が、みんなの士気を上げることだったり、はっと気づかされる。そういう強みがあると思います」と認識する一方で、山本自身については「自分の中ではうまくさばいたりするのが得意だと思ってますけど、それでもしっかりスライディングだったり、そういう体を動かすことで、仲間を引っ張っていくっていう、そういうのを体現したい」と語る。

 オンオフでチームを支える二人のリーダーが、キャプテンマークを巻いても巻かなくても、強い発信力と統率力で、一体感を高めていくはず。パリ五輪世代のパイオニアであるMF久保建英(レアル・ソシエダ)やGK鈴木彩艶(シント=トロイデン)がA代表に招集され、斉藤光毅(スパルタ)や鈴木唯人(ブレンビー)など、欧州で活躍する主力級の何人かが招集困難と見られるU-23アジア杯ではある意味、日替わりヒーローが誕生していくことが、パリ五輪の切符獲得の鍵だろう。だが、山本と藤田譲は常に”大岩ジャパン”を引っ張り、支える二人のリーダーとして重要な役割になっていくことになりそうだ。

(取材・文/河治良幸)

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