■再出発の北朝鮮で見せた可能性
「アジアカップの反省で、イラン戦でボールを回せなかった理由として縦パスを入れられなかった、受けられるところに選手がいなかった、というのがあった。前半はそれを意識していたけど、僕がフリーランニングすると相手のサイドバックがついてくるので、そこで空いたスペースをサイドバックの由勢が狙うようになった」
43分の決定機を決められなかった自分を責めた堂安は、三笘薫が選外となった左ウイングを務めた前田大然と形成した両翼を、独自の視点で振り返っている。
「大然は2人分くらいの運動量で走ってくれるのでかなり楽になる。左の大然は槍で、右は僕が中に入るようにしたことで、由勢の攻撃参加もアジアカップよりかなり増えた。相手どうこうではなく、自分たちのやるべきことをやれた」
これでもかと個人技を前面に押し出す三笘と伊東から、スピードに献身さと泥臭さを融合させた前田と、そして熱量とクレバーさを同居させる堂安にスイッチした左右のウイング。再出発を期した北朝鮮戦で、日本に新しい可能性が生まれた。
(取材/文・藤江直人)