■上田の牙城を崩す可能性
ただ、その上田よりも、オランダ1部でゴールを量産している小川航基(NECナイメンヘン)が短時間ながらプレーしたことで、上田の牙城を崩す可能性を秘めた人材が浮上したのも確かだろう。
「守備の切り替え、ポストプレー、チャンスだったら振るっていうところの3つを名波(浩コーチ)さんから言われて、それを意識して試合に入りました」と言う大型FWは、前線からのハードワークを怠らなかった。そこはオランダへ赴いて目覚ましく進化した部分。
そのうえで空中戦やターゲットマンとしての仕事に長けた彼が周りと息の合ったプレーができるようになれば、上田と小川という2人のFWの柱ができるのではないか。そんな希望も見て取れた。
今後の動向は北朝鮮との第2戦、6月シリーズ以降の試合をこなしていかないと分からないが、FW争いが興味深いものになってきたのは1つの朗報と言える。
(取材・文/元川悦子)