日本でも韓国でも、サッカーが盛んである。また、両国ともに野球文化も花開いている。その発展ぶりは独特で、本国アメリカともまた一味違う。蹴球放浪家・後藤健生は、韓国の野球文化にもフィールドワークの裾野を広げた。
■韓国の野球用語は「日本語の音読み」
もう一つ、掲示板(大型映像装置)を眺めていたら面白いことに気づきました。野球用語です。
韓国の野球用語は基本的には野球が「ヤグ」、投手が「トゥス」、内野手が「ネヤス」と言ったように、日本語の用語を韓国音で音読みしただけのものです。
サッカーではゴールキーパー、キックオフ、コーナーキックといった英語由来の用語が主流ですが、野球用語の多くは漢字語です。韓国語には「F」の音がないので、フリーキックは「プリーキック」のような発音になってしまいますが……。
これは、1920年代に韓国で本格的にスポーツが行われるようになった頃、日本で作られたルールブックを使っていたからです。当時、日本の野球では漢字の用語が使われており、一方、サッカー用語は英語由来の外来語が主流だったので、韓国もそうなったそうです。