■試合そっちのけで「応援リーダー」観戦
一応、指定席だったので、座席を探したのですが、システムが複雑でよく分かりませんでした。昔なら韓国では指定席でもそれぞれが勝手に座っているのが普通だったのですが、さて、今はどうなのでしょう……。
「まあ、いいか」
悩んだ末に、僕は適当な席に座って観戦していましたが、最後まで誰も「そこはオレの席だ」と言ってこなかったので、やはり韓国では事実上、自由席だったのでしょう。
その内野席がチアリーダーたちの踊っているステージのすぐそばだったので、彼らの応援ぶりがよく見えました。
さすがに彼ら、彼女らはプロでした。彼らの叫ぶ韓国語はよくは理解できませんでしたが、その声を上げるタイミングはまさに絶妙。観客が「ここで何か声を挙げたい」と思う、まさにその瞬間に彼らが呼びかけるので、観客が盛り上がるのです。
リーダーは、群衆を動かす術を心得ていましたし、また、試合展開を非常に注意深く観察しています。基本的に応援は攻撃側が行い、守備のときは応援しないのですが、その間もリーダーは一球も見逃すことなく、試合展開を食い入るように見ていました。
試合展開など関係なく、ブラスバンドが曲を演奏する高校野球の応援などとはレベルが違います。
僕は、試合そっちのけで応援リーダーに見入っていました。