■96分に選手交代も「52分6秒」に笛
たとえば、3月9日の土曜日のJ1リーグ第3節FC東京対ヴィッセル神戸の試合の後半アディショナルタイムでも、こんなことがあった。
試合は50分にCKのこぼれ球を小泉慶が決めてFC東京が先制したが、神戸は7分後に宮代大聖が決めて同点とし、さらに74分には大迫勇也が芸術的な直接FKを決めて、神戸が2対1でリードしたまま90分を迎え、「7分」というアディショナルタイム表示が行われた。
そして、清水勇人主審は7分が経過した直後の52分6秒にホイッスルを吹いた(僕の手元の時計で計測)。
一見、まったく問題ないように思えるし、試合に敗れたFC東京側からも、とくに異議が唱えられることはなかったように見えた。
しかし、神戸は96分に選手交代を行っていた。右サイドのアタッカー武藤嘉紀に代えて、同じポジションの飯野七聖を投入したのだ。
だが、神戸が1点をリードしていたため、武藤はゆっくりと(時間を目いっぱい使って)タッチラインまで歩いてピッチを退いた。
選手交代が行われた場合も、アディショナルタイムが加算されるはずだ。
たとえば、後半の45分間に両チームが3回ずつの交代を行った場合、(他にプレーが止まることがなかったとしても)3分程度の時間が追加されるのが普通だ。
つまり、交代1回について30秒程度は時間が浪費されたと見なすのだ。
それなら、FC東京対神戸の試合では、アディショナルタイムをもう30秒以上、追加する必要があったのではないのか?