■国際舞台で計算のできる人材

 そこで長友が浮上するわけだが、37歳の大ベテランも今季のFC東京では右SBでの起用が中心。左にはパリ五輪世代の有望株・バングーナガンデ佳史扶がいて、ピーター・クラモフスキー監督もレフティの若武者を高く評価しているからだ。

 こうした事情があるものの、森保監督にとっての長友は「左SBで十分やれる選手」という位置づけは変わらないだろう。2018年ロシアW杯から共闘してきた百戦錬磨の男はここ一番で確実な仕事をこなせる。もちろん20代の頃のような攻撃の推進力や敵を剥がしていく力はなくなっているかもしれないが、致命的なミスを犯すことは滅多にないし、国際舞台でも計算のできる人材である。

 だからこそ、26日の平壌での2戦目は彼をスタメンに抜擢する可能性が高い。21日の東京での1戦目はそこまで大きなプレッシャーはかからないから、伊藤洋輝、もしくは橋岡でも問題ないだろうが、やはり目に見えない重圧がのしかかる平壌でのアウェー戦は強靭なメンタルが何よりも重要なポイントとなる。インテル、ガラタサライ、マルセイユと熱狂的サポーターの中でやってきた男は絶対に動じない。その信頼感は何物にも代えがたいものがあるだろう。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4