■“前回優勝チーム”は黒星発進

 サンフレッチェ広島は浦和レッズ相手に2-0の完勝劇を演じたものの、FC東京では消化不良の引き分けとなってしまった。その両方の試合で決定機は作りながらも、実際に決めたのは3得点。けっして少なくはなくJ1・20チームで5位タイの得点数ではあるが、決めきれなかったことで連勝には至らなかった。

 一方で、湘南ベルマーレから獲得した大橋祐紀がその全3得点を決めて早くも量産の兆しを見せている。昨季3位のチームはミヒャエル・スキッベ監督の下で3年目を迎え、成熟期にあるだけにチームの補強を最小限となったが、その大橋が今後、さらにフィットすれば面白くなりそう。

 加藤陸次樹、ピエロス・ソティリウとの3枚の連携も悪くなく、また、満田誠は中盤の底で存在感を発揮しているだけに、さらなる内容向上も期待できる。

 福岡、町田、G大阪、柏は開幕節でいずれも引き分けたものの、第2節で勝利しての勝点4。特にG大阪はスターティングメンバーが大きく入れ替わりながらポヤトス戦術を体現しつつある。

 なお、この無敗6チームのうち5チームは昨季から同じ監督の指揮となっており、その優位性が最初の2試合では生きているといえそうだ。逆に言えば、新監督の下でまずは無敗発進ができた鹿島は、今後のチーム作りをポジティブに進められる。

 ただし、先述したように19年前に連勝チームがなかったシーズンで優勝したのはG大阪だが、その最初の2試合の成績は1分1敗。しかも、黒星発進だった。スタートダッシュをそのまま安定した戦い方につなげられるかが、タイトルには重要となる。

(中編へ続く)

(2)へ続く
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