【C大阪戦から見えた「ポポヴィッチ鹿島」の今(2)】「悪い内容の試合でも勝ち点3にしてしまうのが優勝するチーム」――鈴木優磨も感じた新生・鹿島の泥臭さの画像
鹿島アントラーズのランコ・ポポヴィッチ監督 撮影:中地拓也

 3月2日の2024年第2節・セレッソ大阪戦を1-1のドローに持ち込み、2戦終了時点で首位をキープした鹿島アントラーズ。まだ序盤とはいえ、トップに立っている状態というのは、チーム、サポーターを含めて、前向きな機運になれるはずだ。

 とはいえ、正直言って、シュートゼロに終わった前半は非常に厳しい内容だったと言わざるを得ない。

「前半の我々はライン間を使えずにいた。今週のトレーニングで狙っていたことは、そこでアドバンテージを作ること、起点を作ることだったが、最終ラインからスピーディにボールを動かせないと相手の嫌なところを効果的に使えない。そこがうまくいかなかった」とランコ・ポポヴィッチ監督も指摘していたが、逆にセレッソにいい立ち位置を取られ、主導権を握られてしまったのだ。

 特に気になったのは中盤だ。アンカー・田中駿汰香川真司奥埜博亮の両インサイドハーフに加え、毎熊晟矢、登里亨平の両サイドバックがボランチの位置に上がって組み立てに参加してくることもあって、知念慶佐野海舟のボランチだけでは対応しきれず、後手を踏んでしまったのだ。

「ボランチもFWも周りに人が多くて出づらい状態で、食いついたら後を使われるという嫌な状況だった。そういう時にどうするかというのは、後ろから声かけて前に伝えていかないといけない。でも、僕の経験不足もありますし、課題が残りました」と急造ボランチの知念も反省していた。

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