■「こんな試合が沢山あった中で、それでも勝っていたのが鹿島」
それでも前半を何とか無失点で抑えたのは大きかった。後半頭から鈴木優磨をトップ下に配置し、さらにビルドアップを改善するために関川郁万を下げて佐野海舟を最終ラインに入れるという指揮官の采配がズバリ的中。セレッソの1点をリードされながらも、巻き返しを図り、最終的にリスタートから植田直通の一撃につなげたのだ。
シュート数はセレッソの10本に対し、鹿島は5本。ボール支配率もパス本数も成功率も全て下回ったものの、黒星という最悪の結果を回避し、勝ち点1を追加することに成功した。そうやって結果を積み上げて、数々のタイトルを手にしてきたのが、鹿島というチームだと言っていい。
「自分たちがうまくいかない試合というのはこの先も必ず出てくる。優勝してる時なんて、こんな試合が沢山あった中で、それでも勝っていたのが鹿島なんです。
この間、(横浜F・)マリノスの試合(東京ヴェルディ戦)を見ていて、内容の悪い試合でも勝ち点3にしてしまうのが彼らの強さだと思った。優勝するチームはそういったことが大事。僕たちも自分たちのサッカーができる時は勝利に持っていくのが当たり前だけど、うまくいかない試合も勝ち点3に持っていけるように、みんなで話し合ってやっていきたいと思います」
鹿島のDNAを誰よりも持っている鈴木優磨がこう語気を強めた通り、しぶとく泥臭くポイントを取るという戦いを取り戻したことは朗報ではないか。