■■韓国でも広がる「独立門」への誤解
西大門刑務所のそばには、パリの凱旋門に似た高さ約14メートルの「独立門」が立っています。西大門刑務所のそばということもあって「日本からの独立」を記念したものと誤解している人が(韓国人の中にも)たくさんいますが、これは中国(清国)からの独立を記念したものです。
朝鮮は1392年に李成桂(リ・ソンゲ)によって開かれた王国でしたが、中国(当時は明国、後に清国)の皇帝に対して朝貢する名目的な属国だったのです。そもそも「朝鮮」という国号も明国の皇帝によって選ばれたものでした。
しかし、19世紀後半に入って清国が朝鮮の政治に干渉するようになったので、朝鮮は清国に対して独立を宣言。「大韓帝国」と称し、朝鮮国王だった高宗が初代皇帝となったのです。そして、清国皇帝からの使者を迎えるために設けられていた「迎恩門」を取り壊し、そこに独立門を建設したのです。
朝鮮(韓国)は独立のために日本とも、中国とも戦わなければならなかったのです。韓国に行ったときに歴史的な施設を見学してみると、この国の歴史を客観的に見られるようになりますよ。