■対イングランド代表「通算戦績」は1分2敗
だが、後半42分、日本陣、日本から見て左のコーナーにイングランドのDFガリー・ネビルが上がってきたのを阻止しようとした北澤のプレーがファウルに取られ、イングランドにFKが与えられる。蹴るのは左利きのスチュアート・ピアス。ファーポスト前のデイビッド・プラットの頭にピッタリと合ったが、GK前川が鋭く反応、はじかれたボールは激しくバーを叩いてはね返る。そこにいたのがシアラー。ジャンプしながらの右足ボレーシュートはグラウンドに叩きつけられ、ワンバウンドして日本のゴールに向かう。
前川は倒れたままでボールに手を伸ばすが触れられない。そこに左ポストの外から柱谷が戻ってきて、ボールをポストの外にかき出した。明らかなハンド。オランダのヤープ・ウィレンベルク主審は迷わずペナルティースポットを指し示し、柱谷にレッドカードをつきつけた。このPKをプラットが決め、日本は「聖地」ウェンブリーでの勝点を逃した。
日本代表はこの9年後、2004年にマンチェスターでイングランドと対戦して1-1で引き分け(得点=小野伸二)、2010年にはオーストリアのグラーツで3回目の対戦をして1-2(得点=田中マルクス闘莉王)と通算3戦で1分2敗の成績。しかし、「2回目のウェンブリー」はまだ実現していない。