■仙台は不運な失点で勝点3を逃す

 シーズン開幕戦には、独特の緊張感が漂う。新監督が就任したチームは、戦術的な練度を高めている段階だ。メンバーが固まっていない、相手のシステムや出場選手が予想の域を出ない、といった不確定要素も多い。その結果として開幕戦も含めたシーズン序盤は、どうしても手探りのところがある。

 そう考えると、この日の仙台は悪くなかっただろう。新加入選手、昨シーズンは出場機会の少なかった選手を積極的に使いながら、J1昇格を争うであろう大分相手を相手に、アウェイでリードを奪ったからだ。

 大分が後半途中に1トップから2トップ気味に変更してくると、新外国人のCBマテウス・モラエスを入れて4バックの並びを変えた。攻め込まれる場面はありながらも、一方的に押し込まれるようなことはなかった。

 83分の失点は不運だった。ラストパスを通した選手は、オフサイドポジションに見えた。J2にもVARが導入されていれば、という声が聞こえてくるような場面だった。

 昨シーズンの仙台なら、残り時間に2失点目を喫していたかもしれない。カウンターを繰り出しつつ1対1で終えたのは、ポジティブにとらえていい。チームの自信につながっていく勝点1だ。

 開幕節のその他のカードでは、横浜FCレノファ山口FCと1対1で引分けた。清水エスパルスと並んでJ1昇格候補の本命と見られる横浜FCが、白星発進を逃した。

 また、J1昇格候補の対戦となったジェフユナイテッド千葉モンテディオ山形の一戦は、アウェイの山形が3対2で競り勝っている。前評判どおりにはいかない”戦国J2”が、今シーズンも幕を開けた。

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