■節目のシーズンは分岐点でもある
クラブ創設30周年のシーズンである。
2022年シーズンにJ2からの再スタートを切ったが、同年は中盤から失速して7位に終わった。
22年終盤から指揮を執った伊藤彰監督が続投した23年も、J1昇格圏内は遠かった。20節から30節まで、11試合連続で勝利から遠ざかった。伊藤監督が退任して堀孝史コーチが昇格したが、最後まで低空飛行が続いて16位に沈んだ。J2では2ケタ順位を記録したことがなかったが、クラブワーストを更新してしまった。、シーズン中の監督交代は3年連続で、継続性が担保されていないことも足かせとなっている。
J2での戦いが長くなるほど、J1へ復帰するのは難しくなっていく。J1復帰を果たすどころか、J3へ降格してしまうクラブもある。ベガルタ仙台にとっての今シーズンは、節目のシーズンであるとともに重要な分岐点でもあると言っていい。
川崎フロンターレを強豪へ押し上げた庄司春男氏が、昨年6月にゼネラルマネジャーに就任した。さらには、若年層の代表チームで長く仕事をしてきた森山佳郎監督を迎えた。「育成」というキーワードが、クラブのなかで重みを持っていると考えることができる。
今シーズンの編成を客観的に評価すると、J1自動昇格圏の2位以内に入るのは難しいと言えそうだ。3位から6位が出場するJ1昇格プレーオフの出場が、現実的なターゲットだろう。