【2024年J2「開幕前診断」清水エスパルス編】主力2選手が抜けた右サイドを埋めるのは”秋葉チルドレン”ドリブラー、ボランチにはリオ五輪代表の万能プレーヤーも加入【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
清水・秋葉忠宏監督に求められるものは「J1復帰」。撮影:中地拓也

■補強ポイントの右サイドに”チルドレン”松崎が

 2024年は勝負のシーズンである。 

 昨シーズン序盤から指揮を執る秋葉忠宏監督のもとで、清水エスパルスはJ2で2シーズン目を戦う。ここでまたJ1昇格を逃すようなことがあれば、主力選手の引き留めが一気に難しくなる。その結果として、“J2の沼”にハマりかねない。5年後、10年後のクラブの未来を明るくするためにも、J1復帰はマストだ。

 昨シーズン途中から指揮を執る秋葉監督は、「超攻撃的」、「超アグレッシブ」の姿勢を引き続き明確に打ち出していく。そのために、オフにあらためて体制が整えられた。自身が指揮した水戸ホーリーホックでスタッフに名を連ねた依田光正コーチ、佐藤亮佑コーチ兼分析が新たに入閣している。

 編成は大きく変わった。

 主将を務めていたCB鈴木義宜、CB井林章、DFとMFの複数ポジションを担った岸本武流、右サイドMF中山克広、中盤の交代カードだったMF神谷優太、FWオ・セフン、そしてFWチアゴ・サンタナらがチームを離れた。ダブルボランチの一角として存在感を発揮してきたMFホナウドも契約満了となっている。ボランチの候補者では、ブラジルのクラブへ期限付き移籍していた松岡大起も、アビスパ福岡へ移籍していった。

 最初の補強ポイントは、中山と岸本が抜けた右サイドだっただろう。秋葉監督の答えは、自身が水戸でブレイクさせたMF松崎快だった。右サイドを主戦場とする左利きのドリブラーで、アタッキングサードで違いを作り出せる。右サイドは”秋葉チルドレン”の松崎とMF西澤健太、MF川谷凪、それに新外国人のルーカス・ブラガらとの競争になりそうだ。

 背番号11を着けるブラジル人アタッカーのブラガは、左ウイングを主戦場とする27歳だ。右ウイングや右サイドバックでもプレーでき、このチームでは右サイドを担うことになるだろう。スピード豊かなドリブルでのチャンスメイクを持ち味とする。

 4-2-3-1を前提に考えると、左サイドとトップ下は不動だ。MFカルリーニョス・ジュニオとMF乾貴士である。昨シーズン揃って2ケタ得点をあげたこのふたりには、今シーズンも同様の数字が求められる。

  1. 1
  2. 2