新たな面々が増えた攻撃陣に比べると、守備陣は昨年のベースを引き継ぐ形になっているFC東京。目下、大混戦なのは、分厚い選手層を誇るボランチだろう。
今のところは、昨夏セレッソ大阪から加入し、今季から完全移籍へと移行した原川力とパリ五輪世代の松木玖生のコンビが最右翼と見られるが、新加入の高宇洋、昨季33試合出場の小泉慶も実績十分。
「みんなビッグネームだし、すごい高いレベルの競争の中でやっている。本当に誰が出るか全く分からない」と、高も神妙な面持ちで語っていたほどだ。
クラブ側は当初、松木の今冬の海外移籍を視野に入れ、原川の完全移籍移行と高の獲得に踏み切った。だが、松木が残留したことで、結果的に誰かが控えに回るという贅沢な状況になったという。
ただ、これだけのメンバーがいれば、対戦相手によってメンバーを使い分けできるというメリットもある。自分たちが主導権を握りたい場合は球出しに秀でた原川を軸に、前に飛び出していける松木を組ませればいいだろうし、守備重視の戦い方なら高と小泉を並べるのが有効だ。松木をトップ下で起用するなら、他の3人を回すというのも1つの手。クラモフスキー監督の手腕が問われそうだ。